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山縣 和仁*; 大内 和希; 丸茂 和樹*; 半田 友衣子*; 原賀 智子; 齋藤 伸吾*
Inorganic Chemistry, 62(2), p.730 - 738, 2023/01
被引用回数:3 パーセンタイル:74.01(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ネプツニルイオン(NpO)に対し解離不活性な錯体を見出すため、蛍光プローブ化学ライブラリーの中からポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を用いる速度論的手法により、安定なNpO錯体の選抜を試みた。フルオレセイン修飾フェナントロリン-2,9-ジカルボン酸錯体は、自己解離速度定数810 sと非常に解離不活性であることを見出した。この速度定数は、これまで報告されているNpO錯体の解離速度より100万倍遅い。この特異性を利用しPAGEによるNpO錯体の蛍光検出を試みたところ、検出限界68pmol dm(17fg)の極微量検出を達成した。模擬使用済み核燃料及び高レベル放射性廃棄物試料への適用にも成功した。
則末 智久*; 貴田 祐介*; 増井 直樹*; Tran-Cong-Miyata, Q.*; 前川 康成; 吉田 勝; 柴山 充弘*
Macromolecules, 36(16), p.6202 - 6212, 2003/08
被引用回数:76 パーセンタイル:89.41(Polymer Science)インテリジェント材料として注目されている温度応答性を示すpoly(N-isopropylacrylamide)ゲルの架橋構造と収縮速度との関係を調べた。架橋剤を用いたモノマー重合法及び線を用いたポリマー架橋法により、架橋構造の異なる2種類のポリマーゲルを作製した。モノマー重合法で作製したゲルの収縮速度はポリマー架橋法で作製したものとほとんど同じだった。ところが、小角中性子散乱法や動的/静的光散乱法より、それらのミクロ構造は全く異なることがわかった。これらの検討より、モノマー重合法で得られたゲルは、ポリマー架橋法で得られたゲルの持つ凍結濃度ゆらぎに起因する不均一性に加えて、ゲル化過程で生じる架橋点の空間分布に起因するもう一つの不均一性を有することがわかった。
石垣 功; 福崎 祐延*; 岡田 利美*; 岡田 紀夫; 岡本 次郎; 町 末男
J.Appl.Polym.Sci., 26, p.1585 - 1594, 1981/00
被引用回数:6 パーセンタイル:40.98(Polymer Science)N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル塩(DMAEM・MC)とアクリルアミド(AAm)の放射線共重合によるカチオン系凝集剤の合成において、製造プロセスの簡素化を目的として高モノマー濃度での共重合を検討した。 上記両モノマーは固相で重合するが少量の水を添加することにより重合速度が著しく増加する。 しかし、高重合速度が得られるモノマー濃度の高い領域では、生成ポリマーが橋かけして、水不溶性となるため凝集剤としては使用できない。 生成ポリマーの橋かけを抑制するために種々の添加剤を検討した結果、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールなどの三級炭素に水素を有するアルコール類が極めて有効であることが判明した。 本系での橋かけはイミド化よりもむしろ3連鎖移動に起因していること、上記アルコール類添加下では、80%濃度での重合が可能であり生成ポリマーは乾燥工程を経ずに粉末化できることなどを明らかにした。
和田 武*; 関谷 弘志; 町 末男
J.Appl.Polym.Sci., 20(12), p.3233 - 3240, 1976/12
被引用回数:39アクリルアミドの放射線重合によって高分子量の凝集効果の優れた凝集剤の合成について研究した。沈澱系で高分子量ポリマーを得るにはアセトン-水混合溶媒が最も適している。ポリマー分子量はモノマー濃度が高く、線量率が低い重合条件で高くなる。しかし高モノマー濃度,高重合率では重合中に分子間の架橋が起り生成ポリマーが水に不溶となりやすい。架橋を起さずに得られた最も大きい分子量(Mn)は6.710であり、重合条件は0C,モノマー濃度2.9mole/l,線量率6.210rad/hrで溶媒はアセトン-40%水60%の混合物である。重合中の架橋はpHを6.5以上にすると防止することができる。得られたポリマーの凝集効果をカオリンの懸濁液について試験した結果、分子量が大きい程、凝集速度が大きく、分子量の高い放射線重合物は市販品の凝集剤に比べて優れた凝集効果を示した。